希少な馬刺しの大トロや中トロはどの部位?マグロとの比較もあわせて紹介します

希少な馬刺しの大トロや中トロはどの部位?マグロとの比較もあわせて紹介します

大トロ・中トロというとマグロが一般的なイメージですが馬刺しの大トロ・中トロもマグロに負けないくらい格別なおいしさです。はじめて食べる馬肉が大トロや中トロだとほかの馬肉が食べられなくなるため「まずは赤身などを食べるべきだ」という意見もあるほどです。馬刺しの大トロや中トロは口のなかに入れたとたんに舌の上でとろけて滑らかな食感と馬肉ならではの旨味と甘味が口一杯に広がります。 

また馬刺しや肉寿司はもちろんステーキなどの焼き物や煮物などにも使えて汎用性の高いお肉です。牛肉などにはない栄養もあるので美容や健康を気にする方ダイエット中の方にもおすすめです。しかしそれでは馬肉の大トロや中トロについてはマグロに比べるとまだまだ情報が少なく、その魅力を知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では馬肉の大トロや中トロについてその部位や特徴・栄養とトロの意味やマグロとの比較なども含めて詳しく解説していきましょう。

馬刺しの極み|幻の三角バラ
馬一頭からわずか3kg前後しか取れない非常に稀少で高級な部位です。一部の人には幻といわれるほど。その味と食感もさることながら、サシや色味の美しさは大変見事です。口に入れた瞬間甘みの濃い脂が一瞬でほどけていく・・・味わい深い馬刺しはまさに超一級品です。
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通は知っている?馬刺しの大トロや中トロ部位やその魅力やマグロとの違いとは 

まずは馬肉の大トロ・中トロについてマグロのトロと比較しながらおさらいしていきます。その部位や特徴などについて解説していきますのでぜひとも参考にしてください。 

そもそもトロとは?  

まずはマグロの大トロ・中トロについておさらいします。「トロ」とはマグロの腹の部分にある脂(サシ)がのった部位のことをいい、そのなかでもとくに脂がのった部位を大トロ、その次に脂がのった部位を中トロ脂がなく多く取れる部位である赤い部分が赤身になります。大トロに分類されるのはお腹の前側の部分である「腹カミ」お腹の真ん中の部分である「腹ナカ」です。そして中トロに分類されるのは「腹ナカ」下腹の部分にあたる「腹シモ」になります。 

マグロのカマの側にある大トロですが、希少な部位のためお寿司屋さんでも人気の一品です。
酸味が少なく脂身もほどよくのってまったりしているのが特徴的です。

マグロの大トロはトロのなかでも1/5程度しかない希少な部位で濃厚な脂の味わいと舌の上で溶けるような食感があります。一方中トロは赤身と脂身が混ざり合った旨味や程よい食感を楽しめる部位です。マグロの赤身はマグロならではの旨味と適度な酸味があり、タンパク質が多く脂質はトロの5%ほどなのでヘルシーです。 

ちなみに余談ですがネギトロにして楽しまれるのはトロではなく、中落ちと呼ばれる骨の隙間についた切り身以外の部分の肉や皮の裏側の脂や頭の肉が使用されています。名前の由来は「葱」と「トロ」でネギトロだと思っている人が大半かもしれませんが、実はスプーンなどで骨や皮から肉を「ねぎ取る」ことから来ています。そのためネギトロはネギが入っていなくても「ネギトロ」です。 

馬の大トロと中トロはどの部分? 

一方馬肉で大トロと呼ばれる部位は実は販売元でそれぞれ微妙に異なります。一般的には白いサシが多い「バラオビ」や「三角バラ」といった部位を大トロとし、サシが入った「クラシタ」や「前バラ」を中トロとすることが多いようです。 

馬肉の大トロもマグロの大トロと同じく非常に希少な部位になります。1トンの馬からおおよそ20kg〜30kg程度しか採れないため、ほかの部位の2倍から3倍近い値段で販売されていることが多い傾向にあるのです。 

馬肉の大トロと中トロの特徴は?大トロのバラオビ・三角バラなど 

ここまでで馬肉の大トロと中トロがどの部位なのかについて理解できたことでしょう。次に馬肉の大トロと中トロの特徴について説明します。 

まず馬肉のなかで大トロとされることの多い「バラオビ」の特徴について説明します。バラオビとは馬の下腹に当たる部分の肉です。とくにサシの入りがよいために大トロとして商品化されています。バラオビの魅力は赤身と脂身のバランスのよさ、そして口いっぱいに広がる甘味です。その甘みは牛肉や豚肉、そして本マグロにも決して出せないものです。バラオビは希少価値があり飲食店などでも提供しているところはなかなかみつけられない部位といえるでしょう。バラオビは刺身にしてもおいしいのですが焼肉やステーキなどの焼き物や煮物などにされることの多い部分です。

またもうひとつ大トロに分類されることの多い「三角バラ」は馬の腹部から下腹部にかけての部位です。三角バラは最もサシの入りがよい部位として最高級とされ、値段の高さでは馬肉のなかでもランキングのトップといってよいでしょう。脂ののりがよい馬の三角バラは脂にくどさがなくあっさりとしています。脂ののりがよいのに決して胃にもたれたりしないのが馬の大トロならではの素晴らしい特徴のひとつです。また、三角バラのもうひとつの特徴にモッチリとした食感があげられます。

三角バラは馬肉の本場・熊本県の人にとっても希少価値が高く良いお値段となっています。

牛の生肉が食べられないという人でも獣っぽいにおいの少なく食べやすい馬肉、しかも最上級のおいしさの三角バラを試したらすっかり生肉嫌いが克服できたこともあるといいます。三角バラはもちろんですが馬刺しは薄く切ってサッと焼いたりしゃぶしゃぶにするのもおすすめです。 

馬刺しの極み|幻の三角バラ
馬一頭からわずか3kg前後しか取れない非常に稀少で高級な部位です。一部の人には幻といわれるほど。その味と食感もさることながら、サシや色味の美しさは大変見事です。口に入れた瞬間甘みの濃い脂が一瞬でほどけていく・・・味わい深い馬刺しはまさに超一級品です。
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馬肉の中トロの特徴は?中トロのクラシタ・前バラなど 

次に馬肉の中トロの特徴について説明します。

中トロとして商品化されることの多い部位のひとつ「クラシタ」は馬の肩のすぐ後方にある背中の部分の肉で、牛の場合であれば肩ロースに分類される部分です。馬はこの部分に鞍をつけることから名づけられた呼び名になります。

クラシタは赤身と脂がバランスよく入り、やわらかい部分と堅い部分の混ざり合った弾力のある歯応えです。たんぱくな味わいで馬刺しにしてもよくしゃぶしゃぶにしてもおいしい部位です。クラシタはちょうどよく冷やして生で食べるというのが通の食べ方だともいわれます。ユッケにすると最も牛肉のユッケに近い食感です。 

また馬のバラ・つまりお腹の部分のなかでも前と後ろにわけられそのうち前の部分、つまり「前バラ」は中トロに分類されて霜降りと呼ばれることも多い部分です。前バラは馬1頭から数kgしか採れない部分であるため赤身などの部分と比べると高価な部位になりますが、大トロに比べると手ごろなので人気が高い部分となっています。

前バラの特徴は脂の旨味と赤身の味わいが絶妙にバランスよく調和していることです。赤身の肉が好きではないという人でも前バラは好きである場合もあるといいます。サシの入り方も美しく馬ならではの旨味がギュッとつまった部分です。口溶けもよく口のなかで広がる甘みをくどさも感じることなく堪能できることでしょう。前バラは馬刺しはもちろんカルパッチョなどにしてもよいでしょう。

マグロのトロと馬のトロの栄養を比べると? 

ここまでで馬肉の大トロと中トロの特徴については理解してもらえたのではないでしょうか。ここからはマグロの大トロと馬の大トロを栄養の面で比べていきます。マグロのトロには不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が赤身よりもさらに多く含まれています。 

飽和脂肪酸は常温で固まる性質があり採りすぎると中性脂肪やコレステロールが増えて高脂血症や動脈硬化になってしまう可能性があるのです。しかし不飽和脂肪酸は常温で固まりにくく血のなかの中性脂肪やコレステロールの値を調節する働きがあるとされています。不飽和脂肪酸は魚や植物に多く含まれていて人間の体内では作れない成分であるため、食物から積極的に摂取する必要があります。 

またDHAは脳の働きを正常に保つ働きがあるとされ、高脂血症や高血圧の予防にも有効だとされているのです。EPAには悪玉コレステロールを減少させ血液が固まるのを抑えて血栓を予防したうえで血液のなかの中性脂肪を減らして動脈硬化や高脂血症などを防ぐとされています。 

またマグロのトロには皮膚を美しくして体を健康な状態に保つビタミンA、カルシウムのバランスを整え骨を健康な状態に保つ効果があるビタミンD、抗酸化性作用があり老化防止に効果のあるビタミンEが豊富に含まれているのです。 

馬のトロには不飽和脂肪酸が多い! 

一方馬のトロにはリノール酸やα–リノレン酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれています。リノール酸は血液中のコレステロールを低下させ動脈硬化を予防して悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。α–リノレン酸には血のなかの中性脂肪を低下させる作用があるとされ、体内に入ると代謝してDHA・EPAになるのです。オレイン酸には血のなかの悪玉コレステロール値を下げて循環器系疾患を予防する効果があると考えられています。 

また馬肉のトロにもビタミンAや糖質の代謝を促すことによって肥満を防ぎ、ダイエットに役立つビタミンB1・足りなくなると貧血や頭痛・めまいなどが起こるとされるビタミンB12などが含まれています。馬肉の赤身の部分には疲労を回復する効果のあるグリコーゲンが含まれているのです。ほかにも鉄分などのミネラルも含まれています。 

まとめ 

今回は馬肉の大トロや中トロについてその部位や特徴・栄養をマグロとの比較も含めて解説しました。馬肉のトロとマグロのトロ、それぞれに素晴らしい特徴があることが理解いただけたことでしょう。 

大トロ・中トロというとマグロを連想する人が大半かもしれませんが馬肉の大トロ・中トロもマグロに負けないくらいの贅沢なおいしさです。口のなかに入れたとたんに舌の上でとろけて滑らかな食感と馬肉ならではの旨味と甘味を楽しめます。また、牛肉などにはない栄養もあり美容や健康を気にする方やダイエット中の方にもぴったりです。 

馬の大トロ・中トロは馬刺しや肉寿司はもちろんステーキなどの焼き物や煮物などにも使えるので汎用性の高いお肉です。価格は少し高めですがお祝いごとや特別な記念日などのご馳走におすすめといえるでしょう。一度食べたらそのおいしさに病みつきになるといわれている馬肉のトロの魅力にはあなたもハマってしまうかもしれません。ぜひともこの記事の情報を参考に馬肉の大トロ・中トロをお求めになって極上のおいしさを体験してみてください。

馬刺しの極み|幻の三角バラ
馬一頭からわずか3kg前後しか取れない非常に稀少で高級な部位です。一部の人には幻といわれるほど。その味と食感もさることながら、サシや色味の美しさは大変見事です。口に入れた瞬間甘みの濃い脂が一瞬でほどけていく・・・味わい深い馬刺しはまさに超一級品です。
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