世の中には多くのダイエット法がありますができる限り負担が少なく継続でき、かつ健康的にそして効果的にダイエットしたいのは誰もが思うことです。とくに食べることは人間が生きていくうえで最低限必要なことですので空腹に耐えながらダイエットすることは避けたいと思う方は多くおられるでしょう。
メディアや書籍で話題になったダイエット法に、糖質制限ダイエットというものがありますが、糖質である炭水化物を制限する食事法に取り組むなかで注目を集めているのが「お肉ダイエット」です。なかにはお肉だけしか食べないという極端なものもあります。
そもそもお肉がなぜダイエットに効果があるのでしょうか。ダイエット効果をより高めるためにはどのようなお肉を食べればよいのか、またお肉ダイエットをする際はどのようなことに注意すればよいのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事ではお肉がなぜダイエットに向いているのか、どのようなお肉がダイエットに向いているのかなどについてご説明いたします。またとくにダイエットに最適な馬刺しについて深掘りしてご説明します。
お肉とは?
お肉とは人間が食物として調理して食べる動物の肉のことを指しています。多くの国では主に哺乳類や鳥類の筋肉組織を指します。かつてはレバーや腎臓・脳・腸などの内臓をほとんどの文化圏で楽しむことができました。しかし現在では安全性の観点から馬などの限られた動物の内臓しか食べることはできません。
ちなみに現在、世界の食肉のほとんどは主に数千頭の動物を飼育する大規模な農場で飼育された家畜に由来しています。しかし一部の地域では放牧して自然に近いかたちで飼育された家畜のお肉を食べることができます。
食べられるお肉の種類
お肉はさまざまな動物から採取され赤身と白身に分類されます。また加工品は味をよくするために添加物が加えられたものです。
肉の種類は原料となる動物とその調理法によって分類されます。
赤身肉
主に哺乳類を原料とし鉄分を多く含むタンパク質であるミオグロビンを白身の肉よりも多く含んでいます。たとえば以下のようなものがあります。
・牛肉
・豚肉
・羊肉
・馬肉
・ヤギ肉
・ジビエ(鹿肉など)
白身肉
一般的に赤身の肉よりも色が薄く鳥や小動物の肉が原料になっています。たとえば以下のようなものがあります。
・鶏肉
・七面鳥
・カモ
・ウズラ、キジなどの野鳥
加工肉
加工肉とは塩漬け・熟成・燻製・乾燥などの工程を経て保存性や風味を高めた肉のことです。たとえば以下のようなものがあります。
・ハム
・ソーセージ
・ベーコン
・サラミ
・ジャーキー
お肉に含まれる栄養素
お肉は優れたタンパク源であり、ビタミンB12・ナイアシン・セレンを含むいくつかのビタミンとミネラルを含んでいます。とくに赤身の肉は優れたタンパク源です。調理後の肉には重量比で20~30%のタンパク質が含まれています。
また動物性たんぱく質は完全たんぱく質ともいわれることがありますが9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいるのです。
なお赤身の生肉100グラムには以下の成分が含まれています。
エネルギー | 脂質 | タンパク質 | |
和牛もも肉 | 176kcal | 10.7g | 21.3g |
輸入もも肉 | 117kcal | 4.3g | 21.2g |
和牛肩ロース | 293kcal | 26.1g | 16.5g |
輸入牛肩ロース | 160kcal | 9.5g | 19.7g |
ぶた肩ロース | 146kcal | 7.8g | 19.7g |
脂の多いバラ肉では以下の通りです。
エネルギー | 脂質 | タンパク質 | |
和牛バラ肉 | 472kcal | 50.0g | 11.0g |
輸入牛バラ肉 | 338kcal | 32.9g | 14.4g |
ぶたバラ肉 | 366kcal | 35.4g | 14.4g |
ちなみに豚肉にはビタミンB1(チアミン)がとくに多く含まれています。
レバーやその他の臓器には、ビタミンA・ビタミンB12・鉄分・セレンも多く含まれており脳や筋肉・肝臓の健康に重要な栄養素であるコリンの優れた供給源でもあります。
お肉がダイエットになぜ向いているのか?
お肉を食べることにはいくつかダイエットの面でメリットがあります。
食欲が減退し新陳代謝が活発になります。肉に含まれるタンパク質の多い食事は代謝率を高め、空腹感を減らし、満腹感を促進することが知られています。
筋肉量が維持される
動物性タンパク質の摂取は筋肉量の増加と関連しています。
これは筋肉であるタンパク質を作るために必要な必須アミノ酸が含まれていること。また筋肉の分解を抑制する分岐鎖アミノ酸が多く含まれていることが理由として考えられています。筋肉量の維持は基礎代謝の維持、継続した運動の促進につながりダイエットには有利に働くのです。
脂質代謝を促進する
赤身肉には脂質の代謝を促進するカルニチンというアミノ酸が多く含まれています。カルニチンを摂取して運動すると脂肪の燃焼が効率よくなることが知られていますので、ダイエットへの効果が期待できます。
お肉を食べてダイエットするときの注意点
お肉はダイエットに適した食べ物ですが、お肉をたくさん食べればよいというわけではありません。やはり脂身が多いところはその分カロリーが増えます。とくに肉の脂身には飽和脂肪が多く含まれており飽和脂肪をたくさん食べると血液中のコレステロール値が高くなります。
脂肪成分の多いひき肉・バラ肉などを摂取しすぎると肥満を招き、心臓病のリスクや糖尿病が増加することもわかっているのです。逆に脂肪分の少ない質のよいお肉を食べることに徹すればむしろ体重減少に貢献することも指摘されています。
できる限り脂身が少ない場所を選ぶ。またお肉だけを食べるのではなく野菜や魚など他の食品も含めてバランスよく食べるのがよいでしょう。
お肉を食べてダイエットするときの調理のポイント
お肉を食べてダイエットするときは以下のように調理のときの注意点があります。
加工されていない赤身のお肉を選ぶ
肉を買うときは最も赤身の多いものを選びましょう。一般的に、肉の白い部分が多ければ多いほど脂肪が多く含まれています。
また加工されていないお肉の方が加工された肉よりも体に優しいのです。加工肉は、脂肪分のほかに塩分や添加物が含まれていますので体によくない影響が出る可能性があります。もし脂身がついていたら、調理の前に取り除きましょう。
高熱調理を避ける
グリルやバーベキューなどお肉を高熱で調理をする場合は焼き過ぎや焦げ付きを防ぎましょう。それはよく焼いた肉と、がん(とくに大腸がん)のリスク上昇との関連性が示されているからです。
肉を焼きすぎることで発生する多環芳香族炭化水素(PAH)や複素環式芳香族アミン(HAA)は有毒な化合物であり、発がん性が認められています。
馬肉がダイエットに向いている理由
では馬肉がダイエットに向いている理由をご説明します。
カロリーが低い
まず何よりも馬肉は他のお肉に比べてカロリーが低いという特徴があります。たとえば馬刺しとして食べられることの多い馬肉の肩ロース肉は100kcal程度です。これは牛や豚の同じ肩ロースと比べても低くなっています。ただし脂の多いところは多少カロリーが高くなってしまいますので、やはり食べ過ぎには注意した方がよいでしょう。
しかし馬肉の脂の特徴は不飽和脂肪酸が多いことにあります。不飽和脂肪酸は魚に多く含まれるタイプの脂ですが、血液中のコレステロールや血圧を下げる働きがあることがわかっています。したがって馬肉の脂は牛や豚の脂と比べて体に悪い影響を与える可能性は低いといってもよいでしょう。
タンパク質が豊富
馬肉に含まれるタンパク質は100gあたり約20gといわれています。
牛肉と比べてみても、決して遜色のない量です。このタンパク質は、筋肉を作るために必要なものですが、タンパク質がしっかりと含まれていると筋肉量が維持され基礎代謝も維持することができます。
ビタミン類が豊富
馬肉は牛肉よりもビタミンが豊富に含まれています。とくに体内の糖分をエネルギーに変換するために必要となるビタミンB1や抗酸化作用をもつビタミンA・ビタミンEなどが多く含まれています。
エネルギーを効率よく消費し体をフレッシュに保つ作用がある馬肉を積極的に食べることはダイエットに効果的に働くといえるのです。
馬肉を食べてダイエットするときのポイント
では馬肉を食べてダイエットするときのポイントについてご説明します。
赤身の多いところを食べる
馬肉はカロリーが低い特徴がありますができる限り脂の少ないところを食べることでさらにカロリーを抑えられます。
主に赤身の馬肉を食べることができるのはロース・モモ・ヒレなどです。ただロースは霜降りで脂身が多めになることがあるので食べすぎないように注意しましょう。逆に脂身が多いのはタテガミと呼ばれる首の部分やバラです。
馬刺しで食べる
食べるときはできる限り油を使わず生で食べることでよりカロリーを抑えられます。馬刺しは生でも安全に食べられるのでなおさらダイエットを目的に馬刺しを食べるのがよいでしょう。
まとめ
馬肉は低カロリーでヘルシーなため、ダイエットや筋トレ向けのお肉として注目されています。さらに美容維持に欠かせない栄養素も含まれていて、美容に気を使う女性にも良い食材となっています。馬肉にはスポーツやダイエットをしている人が不足がちな鉄分や、脂肪酸をエネルギーに変えるサポートをするL-カルニチンが鶏ムネ肉の約17倍含まれていて、味も美味しく、必要な栄養素を摂ることができるのもダイエットや身体作りを続ける上で嬉しいポイントです。ダイエットや筋トレ、美容を意識している方は、1日の食生活の中に馬肉を取り入れてみてはいかがでしょうか。
お肉のうち赤身肉がダイエットに適した食べ物であること、そのなかでも馬肉は馬刺しとして生で食べられるので、とくにダイエットによいお肉であることを説明しました。
ダイエットは楽しみながら健康的にすることが長続きするコツです。その観点からも馬肉は深い味わいを楽しむことができ、かつ体によい不飽和脂肪酸を含むため健康的に痩せることが期待できる優れた食べ物です。ぜひダイエットメニューに馬刺しを加えてみてはどうでしょうか?