健康やダイエット・美容に興味のある人たちの間で今、非常に注目されている食品に赤身肉が挙げられます。またその中でも馬肉の赤身を美味しく食べられる馬刺しがよいとされ人気が上がっているのです。
この記事では馬肉そして馬刺しについて解説し馬肉の特徴や刺身で食べられる理由、またその部位の種類やおすすめの馬肉料理を紹介していきます。
ヘルシーな赤身肉を食べるなら栄養素が豊富な馬肉がおすすめ
赤身肉とは脂が少ない分類の肉の部位を指します。赤身肉は低カロリーで脂質も少なく、タンパク質は他の部位よりも豊富なので健康やダイエットに関心のある方に人気があります。そんな中、馬肉はこの赤身の部分が多いことでとくに注目されているのです。
赤身肉に多く含まれるタンパク質は運動などで傷ついた皮膚細胞を修復する作用があるため疲労回復に効果があるといわれています。ランニングや筋トレをしている人は運動の後に赤身肉を摂取することで筋肉がつきやすくなり太りにくい体質になるためダイエット効果が期待されているのです。
また赤身肉にはL-カルニチンが豊富に含まれています。L-カルニチンは必須アミノ酸であるリジンとメチオニンから合成される成分でエネルギー代謝に重要な役割を果たしている栄養素です。主な働きはエネルギー源としての脂肪酸をその燃焼の場であるミトコンドリアに運搬することで、他の栄養素では代わりを果たすことができません。
脂肪酸がL-カルニチンと結合してミトコンドリアに入ることにより脂肪の代謝が促進されます。そのため余計な脂肪が溜まりにくくなるため赤身肉のL-カルニチンはダイエットに効果的だといえるのです。
また赤身肉には鉄分やビタミンB群をふんだんに含んでいます。
血液を生成するのに必要な鉄分には非ヘム鉄とヘム鉄、2種類が存在します。非ヘム鉄は野菜や海藻などに含まれるのですが吸収しにくいという性質があり、一方ヘム鉄は赤身肉に含まれこちらは吸収しやすいという性質があるのです。
赤身肉から摂取するヘム鉄により健康的な血液を作れるようになると、くすみやクマ・貧血を解消できます。
ビタミンB群は主にエネルギー代謝の補酵素として働きます。補酵素には代謝をスムーズに行わせる潤滑油のような役目があるのです。エネルギー源や体を構成する成分である糖質や脂質・タンパク質を摂取していても、このビタミンB群が不足していると体内の代謝を効率よく行うことができません。そして健康や美容を保つことが難しくなるのです。
馬肉の特徴
馬肉は牛肉や豚肉と比べると脂質の少ない赤身の多い肉で非常に低カロリーです。そのカロリーは豚肉や牛肉のおよそ1/3ほどといわれています。
また赤身の多い馬肉は栄養価が高く昔から滋養強壮に良いとされ薬膳料理に好んで使われてきました。馬肉に含まれる栄養素では前の項で説明したもののほかグリコーゲンに注目が集まっています。
グリコーゲンは動物が体内で作る炭水化物の一種でとくに肝臓や筋肉などに含まれます。エネルギー代謝に必要な物質で疲労回復や集中力の維持・血糖値の調整に効果的だといわれているのです。
馬肉にはこのグリコーゲンがたくさん入っており、牛肉の3倍・豚の5倍ほどのグリコーゲンが含まれているとされます。
馬肉はなぜ刺身で食べられるのか?
また馬肉は刺身、つまり馬刺しで食べることができます。その理由の一つには馬の体温が40度近くあり、牛や豚に比べ寄生虫が少ないことが挙げられます。
さらに馬は抗原度が低い、つまりアレルギーを引き起こしにくいため、馬刺しは安全性が高いと考えられているのです。もう一つの要素として馬が牛や羊などとは違い反芻動物ではないために牛肉やラム肉に比べるとO157などの腸菅出血性大腸菌の保菌リスクが低いという点が挙げられます。
※反芻動物とは?
一度食べた食物を口で咀嚼し、飲み込み部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する牛などの動物を指す。
また馬刺し用にする肉はマイナス20度で48時間以上の冷凍処理を行うことが義務化されているため生で食べても安全な体制が整っているのです。
馬肉を馬刺しで食べるメリットとは?
肉に含まれる鉄分やリン・ナトリウムやカリウムなどのミネラル、ビタミンB群は調理することによって減少してしまうという性質があります。そのため肉を生肉で食べる馬刺しは、それらの栄養素を効率よく摂取するためには非常に効率的な方法だといえます。
馬肉の部位にはどのようなものがある?
馬肉の部位にはどのようなものがあるか紹介していきます。
モモは馬刺しとして食べるのが一般的です。クセがなくて柔らかくあっさりして食べやすいので万人受けする部位です。牛肉の干し肉であるビーフジャーキーはこのモモ肉が材料とされます。
ロースは背中の少しお尻側にある部位です。赤身と脂のバランスがよく霜降り状にもなることからしっかりとした旨味が人気です。馬刺しとしても人気がありますし肉質としてすき焼き・焼肉・しゃぶしゃぶにするのもおすすめです。馬肉としてはもっとも汎用性の高い部位になります。
クロッドは馬の上半身の部位で赤身らしい味わいが楽しめます。
ヒレはロースの下あたりで一番柔らかい部位です。馬刺しの場合はかなりの厚切りでもいただくことができます。馬肉のさっぱりとしつつも濃厚な甘い味わいを堪能するのにもっとも適した部位だといえるでしょう。馬刺しとして非常に人気がありますし鍋で食べられることもあります。
ネックは首の部分の肉のことを指します。おすすめの食べ方はしゃぶしゃぶや焼肉です。柔らかく美味しくいただけます。
イチボはお尻のお肉です。サシも入り甘味もあります。
ランプ(ラムとも呼ばれる)もお尻のお肉ですがイチボと比べるとより柔らかさがある部位です。
バラオビはバラの中でもとくに脂ののりがよい部位です。バラのさらに後ろ足に近い部分になります。脂がのっているバラオビは焼いたり煮込み料理にしたりするととくに美味しくいただけます。
ふたえごはあばらの三層になった部位の肉でコリコリとした食感が人気です。馬刺しやユッケにして食べるのがおすすめです。
たてがみは馬のたてがみの部分に当たる部位です。脂身なのですがあっさりとしていて、赤身肉関連と一緒に食べるとより美味しくいただけます。
馬肉のおすすめの美味しい食べ方
ここからは馬肉の美味しい食べ方をいくつか紹介していきます。
まずは美味しい馬刺しの作り方について説明します。馬刺しを作るときは必ず生食用の馬肉を使い、馬刺しを作ったら早めに食べ切るようにしましょう。
(馬刺しの作り方)
次に紹介するのは馬肉のカルパッチョです。こちらも刺身と同じく生食用の馬肉で作りましょう。さっぱりとした味付けで、お酒のおつまみだけではなくご飯のおかずにもぴったりです。
(馬肉のカルパッチョの作り方)
火を通す食べ方でおすすめなのがシンプルな馬肉のステーキです。生では味わえないまた別の味わいを楽しめます。
(馬肉のステーキの作り方)
馬肉を使った鍋料理「サクラ鍋」も馬肉の定番料理です。地域によって作り方は違いますが、ここでは味噌味のサクラ鍋の作り方を紹介します。味噌と馬肉の味わいがよくマッチした味わいになります。
(サクラ鍋の作り方)
ご飯のお供におすすめの料理が馬肉のしぐれ煮です。生姜の効いた甘辛の味付けがさっぱりした馬肉にぴったりです。お酒のおつまみにもおすすめですよ。
(馬肉のしぐれ煮の作り方)
まとめ
馬肉、そして馬刺しについて解説し、馬肉の特徴や刺身で食べられる理由、またその部位の種類やおすすめの馬肉料理を紹介してきました。
馬肉は栄養価が豊富で、健康維持やダイエット、美容に効果が高いことがおわかりいただけたでしょうか。馬肉は馬刺しにするのももちろん、煮たり焼いたりしても美味しく料理法のバリエーションも豊富です。豚肉や牛肉・鶏肉ほど一般的ではありませんが、馬肉はそれらのお肉に負けないくらい栄養があり美味しい食材です。ぜひ日常の食生活に馬肉を取り込み、その素晴らしさに親しんでもらえたらと思います。