「馬レバ刺し」を食べたことはありますか。これまでは馬レバ刺しというと食通の方のみが知る食べ物でしたが、飲食店での牛や豚のレバ刺しの提供が禁止されるようになってからは人気は高まる一方になっています。
馬レバ刺しの味はどのようなものなのでしょうか。牛や豚のレバ刺しが禁止される中でどうして現在でも馬のレバ刺しだけは生食することができるのか、牛レバ刺しとの味の比較や自宅で安心して馬レバ刺しを食べる方法、その美味しい食べ方について詳しくご紹介します。
気になる馬レバ刺しの味とは？
低糖質・低カロリーなのに栄養価の高い馬肉は、糖質制限ダイエット中の方や健康に対する意識が高い方の間で注目を集めています。馬肉には牛肉や豚肉とお肉と同じようにさまざまな部位があります。その中でも人気が高まっている部位は「レバー」です。
レバーといえば牛レバーや豚レバ－のように加熱して食べるものだというイメージが強い方もいるかもしれません。しかし馬レバーは他の部位を馬刺しとして生で食べるように、生のレバ刺しとして食べることができます。
馬肉を生で食べる馬刺しは淡泊ながらも旨みを感じられるでしょう。馬レバ刺しの味は馬刺しと同じくあっさりしています。臭みがほとんどないので食べやすいのではないでしょうか。そして運動量が多くて筋肉質な馬特有のコリコリとした食感が特徴的です。
レバーは好き嫌いが分かれる食べ物ですがレバーが苦手な方でも馬レバ刺しなら食べられるのではないでしょうか。
馬レバ刺しはどうして生で食べられるの？
以前は、焼き肉店などで当たり前のように牛レバ刺しを楽しむことができました。しかしある飲食店で牛レバ刺しを食べた大勢の人が一度に食中毒を起こした事件がきっかけとなり、2012年に食品衛生法によって飲食店で牛レバ刺しを提供することが禁止されたのです。
そして2015年には、豚レバ刺しの提供も禁止されることとなりました。それ以前を知っている方は牛レバ刺しや豚レバ刺しを食べていた頃を懐かしく思い出すのではないでしょうか。
牛レバ刺しや豚レバ刺しの提供がなぜ禁止されたかというと、O157をはじめとする細菌を保菌している可能性が高く食中毒を引き起こす危険性があるからです。それではなぜ馬レバ刺しだけは現在も禁止されずに今でも生で食べて大丈夫なのでしょうか。
馬は牛や豚よりもおよそ5度体温が高い動物です。この5度の差によって、馬の体内ではO157やその他の細菌が生きにくい環境となっています。馬にはまれに寄生虫がいることがありますが馬肉の出荷時には必ず冷凍処理するように厚生労働省によって義務付けられています。そのため万が一寄生虫がいたとしても完全に死滅させられるので安全性が高く安心して生食することができるのです。
牛レバ刺しと馬レバ刺しを比較すると？
今では幻となっている牛レバ刺しですが、当時の美味しさを知っている方は今でも食べたいと思っているのではないでしょうか。そんな方にぜひ食べていただきたいのが、馬レバ刺しです。牛と馬では味が全然違うのではないかと思うかもしれません。たしかに味や食感は少し違いますが、馬レバ刺しを一度食べれば「これがいい」とその魅力にハマってしまう方が続出しています。
牛レバ刺しはとろけるような舌触りと濃厚な味わいが魅力です。一方で馬レバ刺しはコリコリした食感であっさりとしています。ただし馬の産地や年齢によっても味わいは異なるのです。国内の馬肉の生産量が最も多い熊本県産の馬肉は大型の品種が中心となっています。そのため牛レバ刺しにすると脂分を豊富に含んでいて、ややねっとりとしながらくちどけがよさを感じられるのが特徴です。
一方で馬肉生産量が熊本県に続いて第二位の福島県の馬肉は小柄な品種が中心となっています。そのためよりあっさりとしたヘルシーな馬レバ刺しを食べたい方におすすめです。また若い馬の方がよりさっぱりと淡泊な味わいになる傾向にあります。
牛レバ刺しが好きだった方には、熊本県産の馬レバ刺しがおすすめです。反対にレバ刺しの独特な味が苦手な方や今まで食べたことがない方は福島県産の馬レバ刺しやから挑戦してみるのはいかがでしょうか。どちらも牛レバ刺しよりもあっさりとしながらも、馬肉の旨みを存分に味わえます。
自宅でも馬レバ刺しは食べられる？
レバ刺しというと、専門店で注文して食べるイメージがあるかもしれません。しかし馬レバ刺しは自宅で楽しむことが可能です。通販サイトを見ると馬レバ刺し用の冷凍の馬レバーが販売されています。他の部位と比較するとレバーは値段がやや高めですが、その理由は馬一頭からおよそ600gのレバーしか取れないからです。
馬レバーの流通量は少ないので専門店に行っても売り切れていることがあります。つまり馬レバーはなかなか手に入れられないものなのです。通販サイトで取り寄せれば自宅にいながら貴重な馬レバ刺しを食べられます。
通販サイトを検索すると、冷凍馬肉はさまざまなランキングに選ばれていることがわかるでしょう。馬肉の人気の高さを表すかのように、複数の部位の食べ比べができるセットも販売されています。冷凍保存できるので、賞味期限は1カ月以上です。長いものでは半年近くの賞味期限があるので冷凍庫にストックしておけばいつでも好きな時に馬刺しを食べられます。
冷凍で届いた馬レバーは真空パックのまま30分程度氷水でつけて解凍します。馬肉は安全性の高さが認められていますが、間違った方法で解凍しては新鮮さが損なわれて食中毒の危険性が生じるため注意が必要です。鮮度を保つことができるように、必ず短時間氷水につける方法で解凍しましょう。
中心部に芯が残る半解凍状態になったら真空パックから取り出しお好みの厚さに切って盛り付けます。薄めに切れば初めて食べる方にも食べやすく、厚めに切れば口いっぱいに旨みが広がるのを感じられます。
馬レバ刺しの美味しい食べ方とは？
馬レバ刺しのおすすめの食べ方は、本場である熊本と同じように馬刺し専用のタレにおろしニンニクとショウガを混ぜたものを付ける方法です。おろしニンニクとショウガの香りによって、わずかに残る生臭さを完全に取り除くことができます。醤油がベースとなった馬刺し専用のタレの甘辛さが馬肉本来の旨みを引き出すので、ユッケのように生卵を落として食べるのもおすすめです。
また牛レバ刺しと同じようにごま油と塩だけで食べるのもよく合います。ほとんど臭みがないからこそシンプルな食べ方をした時に美味しさが際立ちお酒が進みます。糖質制限ダイエット中の方にぜひおすすめなのは、塩とレモン汁を掛けて食べる方法です。酸味のあるレモン汁が馬レバーのコリコリとした食感とよく合い、あっさりとヘルシーに食べることができます。
馬レバ刺し単体で食べても美味しいのですが、スライスオニオンや大葉といった薬味と一緒に食べるのはいかがでしょうか。爽やかな風味が加わってよりいっそう美味しくなります。初めて食べる方は試しに薬味たっぷりで食べてみるとさっぱりと食べやすいのではないでしょうか。
まとめ
馬レバ刺しは臭みが気にならず、コリコリとした食感であっさりとしています。馬は体温が高く細菌や寄生虫が生きにくい体内環境である上に冷凍処理が義務付けられているため安心して生食できます。
濃厚で口の中で溶けていく牛レバ刺しと比べると、馬レバ刺しはあっさりしている上に食感があるので、
別物であることは確かです。しかし馬の旨みを存分に楽しめるので一度食べればハマってしまうかもしれません。
馬レバ刺しは通販サイトから冷凍の馬レバーを取り寄せて自宅で食べることができます。30分程度氷水につけて解凍してから切って食べましょう。
おすすめの食べ方は、馬刺し専用のタレにおろしニンニクとショウガを混ぜ合わせたものに付けて食べるものです。スライスオニオンや大葉と一緒に、自宅でも美味しくて低カロリーな馬レバ刺しを楽しんでみませんか。
