「お肉はダイエットには不向き、魚や野菜を食べないといけない」そんな風に思っている方も多いでしょう。たしかにお肉は高カロリーで脂分が多いイメージがあり太りやすいと考えられがちです。しかし赤身の部位はダイエットにもおすすめできる食材であることをご存じでしょうか。
またどうしてもダイエット中に肉が食べたいときにおすすめの肉である「馬刺し」もご紹介します。皆さんは低脂質高タンパクな馬刺しについてどれくらい知っているでしょうか。ダイエット中でなくてもお肉の脂身が苦手な方にぴったりの食材なのです。
本ページでは赤身が美味しい牛肉のブランドや赤身で人気の馬刺し産地も取り上げます。さらには赤身にうってつけな味付けについてもご紹介。ぜひこの記事を参考にしてダイエット中でも罪悪感なくお肉を楽しんでください。
赤身が美味しい!おすすめブランド牛
美味しいブランド牛はたくさんありますが、とくに赤身に定評をもつ4つのブランド牛についてご紹介しましょう。単に赤身が人気というだけでもブランド牛ごとにその味わいはさまざま。人気の秘訣に触れながら解説していきましょう。
土佐あかうし
まずは赤身が人気の牛肉といえば必ず名が挙がる「土佐あかうし」。そもそもの起源は褐毛和種という和牛ですが熊本系と土佐系に分かれます。高知県では優秀な血統と肉の品質から品種改良が進められ現在では年間で500頭弱ほどしか出荷されない希少なブランド牛となりました。
褐毛和種のおとなしい性格に加えて目の周りや鼻、しっぽが黒い毛で覆われていることからその愛らしさも人気を集める理由でしょう。さらに放牧に向いている品種のため広大な自然の中でのびのび生育されることで質のよい赤身肉へと育っていくのです。
気になる土佐あかうしの美味しさは赤身とサシの入り具合がカギとなっています。28ヵ月という長い期間で生育されることで赤身の甘み成分は熟成され他のお肉にはない味わいに。サシは黒毛和牛に比べてやや低く口の中でとろけるでしょう。
赤身に自信をもつ土佐あかうし甘みの強い赤身と低温でとろけるサシのバランスが絶妙でローストビーフとしても人気のブランドです。
阿蘇王
阿蘇王は土佐あかうしと同じ褐毛和種ではありますが阿蘇地方をはじめとする地方の在来種とスイスからの在来種の交配によって生まれた品種です。褐色和種の温厚な性格とスイス育ちの屈強な筋肉が特徴でしょう。
生後6~8ヵ月の間は阿蘇の高原で放牧されるため、脂肪分の少ない上質な赤身肉が生育されます。広大な自然の中でぐんぐん育つ阿蘇王は赤身とサシの比率が抜群です。またアルコールによって引き起こされる肝機能障害や血圧低下によい作用をもたらすことが明らかにされました。阿蘇王は旨みだけでなく健康的にも人気のブランドなのです。
但馬牛
数々のブランド牛の起源種とされている但馬牛。その美味しさはもちろん赤身でも人気を誇っています。生育地方は但馬地方に限られているわけではありませんが異種との交配はなく平安時代から続く閉鎖的な生育によりその品質、味わいを保ち続けてきました。
兵庫県に広がる山々の中で農耕用に育てられていた但馬牛は皮下脂肪が少ないことが特徴です。その分限られた脂肪分は旨みを増し、赤身肉を支える脂肪分によってその味わいが人気になったのでしょう。
そんな但馬牛もサシと赤身のほどよいバランスがその人気を集めています。甘みの増した少ない脂肪分が鍛えあげられた赤身部位にキレイに入ったお肉は芸術そのもの。加熱でさらに甘みが増すのでしゃぶしゃぶやステーキとしてお歳暮にも重宝されるブランドです。
いわて山形村短角牛
岩手県の北部に位置する山形地区の地形と気候を活かした牧場で飼育される「いわて山形村短角牛」は、高級店の食材としの利用や情報番組で特集されるほど人気。赤身が美味しいブランド牛のトップクラスの中でもサシのバランスがほど良い代表格で、肉質はジューシーでフレッシュな香りが魅力です。
日本に出回る食用肉のうちわずか1%ほどの短角牛は非常に希少な牛の1つ。江戸時代に輸送用の牛として生育された南部牛を大もとに外国の輸入種と品種改良を重ねて現在では和牛として認められました。
寒さが厳しい冬に生まれ、春に母牛とともに放牧されると自然交配が始まります。人口受精が一般化されている中では珍しい自然交配ですが牛本来の成長を最大限に生かした生育方法がとられているのです。
赤身肉としてもそのたぐいまれなる美味しさは人気を集める短角牛は甘みのもとであるアミノ酸を多く含んでいます。霜降りのようなサシがたっぷりのお肉でないのにかかわらずこれほど有名な理由は赤身本来の甘みと低脂肪がゆえのヘルシーさなのでしょう。いわて山形村短角牛は健康的に牛肉を楽しめるブランドとして名を博しているのです。
赤身の馬刺しがダイエットにおススメな理由
ダイエット食材としても注目を浴びている馬刺しですが実際にはどのような特徴があるのでしょうか。他のお肉は避けた方がいいのに対して馬刺しを食べられるのはなぜか疑問に思う方も多いはず。馬刺しがダイエットに与える影響やそのメリットについて解説します。
低糖質高タンパク質
馬刺しがダイエットにおすすめできる1番の理由はその低脂質高タンパクだということです。とはいってもこの“低脂質高タンパク”がどうして太りにくいのかよくわからない方も多いでしょう。そんな方のためにどうして低脂質高タンパクがダイエット向きなのかについてお話しします。
まず低脂質であるということ=カロリーが低いという式がたてられます。脂質は1g=9kcalで、糖質やタンパク質が1g=4kcalなのに対し2倍以上のカロリーをもっているのです。ダイエット中はカロリーが高い食材をなるべく控えたいものですから低脂質であることは非常に大切だといえるでしょう。
次に高タンパクという点ですが、もちろんカロリーはありますからむやみやたらに摂取することはおすすめできません。そもそも体重を落とすには糖質制限をしている方がほとんどでしょうが、ただ糖質を減らすだけでは疲れやすくなったり筋肉が落ちて代謝が悪くなってしまったりすることがあります。
しかしタンパク質を摂取することでそれらの症状が改善されて脂肪を筋肉に変えやすくなります。糖質制限のデメリットを補う役割からタンパク質が大切なのです。
馬刺しの中でも赤身はとくに脂肪分がすくなくあっさりとした味わいが人気です。さらに脂を使った調理は一切行わないために馬肉料理のなかでもトップクラスに低カロリーだといえるでしょう。
脂肪燃焼効果がある
馬刺しに豊富にふくまれるL-カルニチンという物質はダイエットの効果をおおきく引き上げる効果があります。この物質は脂肪燃焼に欠かせません。体内で分解された脂質と結びつき代謝を促します。それによりL-カルニチンが多いほど脂質を燃やしてくれるというわけです。
ただでさえ脂質の少ない馬刺しですが同時にL-カルニチンを摂取すると体内で脂肪燃焼も進むのでダイエットに最適な食材だといえるでしょう。
ブランド赤身が美味しい産地
馬刺しは牛肉ほどたくさんのブランドがありませんが産地によってブランド化されて味が保証されているお肉もあります。それでは産地ごとの赤身の特徴についてみていきましょう。
会津産
赤身を存分に堪能できる馬刺しを選ぶには会津産のブランド馬刺しがおすすめでしょう。軽種馬と呼ばれる競馬向きの馬が多く生育されており痩せて筋肉質なことから引き締まった赤身肉で人気を博しています。しっかりとした歯ごたえとお肉とは思えないあっさりした味わいは会津産の馬刺しの醍醐味。赤身のよい部分が全面にでたヘルシーな馬刺しです。
熊本産
やはり馬刺しといえば有名なのは熊本産。会津産に比べると脂肪分は多めですがサシが入って甘みが強いのが特徴といえます。重種馬と呼ばれる体の大きな馬の生育が盛んな熊本では赤身だけでなく大トロも人気の部位になっています。こってりしているのにくどすぎない脂の甘みを楽しむのには熊本産がぴったりです。お好みに合わせて購入を検討してみてください。
赤身肉の美味しい食べ方
脂肪分の少ない赤身肉は本来の味わいを楽しむ食べ方がおすすめでしょう。シンプルな味付けがお肉の味を引き出し、より美味しく食べられるはずです。
ステーキ
ステーキは下準備がほとんどいらない料理ですがその分お肉のクオリティが大きく味を左右します。塩コショウのみで味付けすればお肉風味がストレートに表れ、贅沢にブランド肉を楽しめるでしょう。ローズマリーを加えてフライパンで焼けばご自宅でおしゃれな料理が楽しめるはずです。
ローストビーフ
赤身肉を思う存分楽しむにはローストビーフも捨てがたいです。脂肪分の少ない部位だからこそできる一品で玉ねぎベースのソースに合わせて食べるのは絶品の一言です。ただご自宅で作るには少しハードルが高いと感じる方もいることでしょう。そんな方には低温調理器をおすすめいたします。低温でじっくり火を通すため食中毒の心配もなく安全に食べられる調理方法なのです。お肉のしっかりとした味わいを楽しめるローストビーフは赤身肉のための料理でしょう。
しゃぶしゃぶ
やはりお肉本来の味わいを楽しむには淡白な味付けの料理が最適です。しゃぶしゃぶは軽くお湯にくぐらせて、お好みのタレで食べられるので赤身肉を自分好みにカスタマイズして楽しめます。基本的にクセの少ないお肉ですから組み合わせは無限大です。お好きなように味わってください。
まとめ
今回は赤身が美味しいブランド牛とダイエットにおすすめの馬刺しの赤身について紹介し、その美味しい食べ方についても解説しました。人気のある牛肉は赤身だけでなく少ない脂肪にも甘みが凝縮されているのが特徴です。さらに広大で自由な生育環境もその味わいに影響を与えているのです。
ダイエット向きとして有名な馬刺しの赤身は大きく2種類に分けられます。それぞれに良さはありますが赤身という面ではわずかに会津産の馬刺しの方が有名でしょうか。好みもあるので食べ比べするのもおすすめです。
最後に紹介した赤身肉の美味しい食べ方では本来の味わいを生かすようなレシピをご紹介しました。ブランド肉のうまみが最大限に引き出されるステーキをはじめ、ローストビーフやしゃぶしゃぶはぜひとも試していただきたい一品です。