あっさりとしていながら馬肉の旨みが口いっぱいに広がる馬刺しですが、余らせてしまったらあなたはどうしますか?時間を置いて、そのまま生で食べるのは厳禁です。さっと焼いたり、長時間煮込むなど新しい馬肉の美味しさに出会える料理方法をご紹介します。
目次
馬刺しが余ったら?
馬肉は、スーパーではあまり見かけることの少ない食材です。しかし、最近では専門店や通販で購入して自宅で食べるという方が急増しています。なぜなら、馬肉はタンパク質が豊富に含まれているのに低脂質でヘルシーな食材として、健康を考える方やダイエット中の方の注目を集めているからです。
あっさりしていて次々と食べたくなる馬刺しですが、時には余ってしまうことも時も。そんな時、残った馬刺しを食べるのは厳禁です。なぜなら、馬刺しは鮮度が命です。数時間でも置いたものは見た目や味わいが変わってしまうだけはなく、食品衛生上、危険だからです。
インターネットで検索すると、馬刺しが余った時のレシピがたくさんあります。馬肉は加熱調理しても美味しく食べることができます。試しに表面をさっと焼いたり、カレーなど煮込む料理法にアレンジしてみませんか。コツさえ押さえれば簡単なレシピをご紹介します。
残った馬刺しを焼く時の注意点や馬肉に合う調味料とは?
余った馬刺しの調理方法で一番手軽なのは、焼くことです。馬刺しのタレや薬味も余っていたら、馬肉と一緒に焼きましょう。馬肉は、火を通すと硬くなります。そのため、注意点は表面をさっと焼く程度にとどめることです。表面を焼いたら裏返して裏面を焼き、もう完成です。馬刺しとしてバランスが良かったタレと薬味を組み合わせる食べ方は、焼いても変わることなく美味しいのです。焼いて馬刺しよりも歯ごたえが加わった分、嚙めば嚙むほど旨みが口の中に広がります。
馬刺しのタレがない場合は、焼き肉のタレを使用します。馬肉は旨みが強い反面、淡泊な味です。そのため、ベースとなる醤油にさまざまなスパイスやニンニクが混ぜ合わされた焼き肉のタレは、馬肉にぴったりです。馬刺しを余らせてしまった時点で焼き肉のタレに漬け込み冷蔵保存しておけば、中までしっかり味が染み込みます。パンチのある焼き肉のタレによって、ご飯が進むスタミナ料理に早変わりします。
余った馬刺しを焼く時の調味料として意外に合うのは、バター醤油です。塩コショウでさっと焼き、バターを入れてから最後に醤油を回しかけます。淡泊な馬肉にバターがコクを与え、風味豊かに仕上がるのです。少し厚めにスライスした馬肉をステーキ風に焼けば、食べ応えが増します。残った馬刺しのように薄くスライスした馬肉の場合は、キャベツ・タマネギ・ニンジンなどの野菜と一緒に炒めるとボリューム満点のおかずになります。
残った馬刺しの煮込み料理法とは?
馬肉は、煮込んでも美味しく食べることができるのをご存知でしょうか。ただし、馬肉は加熱すると硬くなるので、柔らかくなるまで長時間かけて煮込む必要があります。いつものカレーの作り方で残った馬刺しを入れれば、馬肉の旨みが溶け込んだカレーになります。濃厚なのにさっぱりとしっていて美味しく、クセになる味わいです。
馬肉の煮込み料理の代表と言えば、ワイン煮込みです。馬肉にワインの酸味が合わさって深いコクが生まれます。
【作り方】
付け合わせにおすすめなのは、茹でたジャガイモやブロッコリーです。
手間が掛かる料理ですが、口の中に入れるとホロホロとほどけていく馬肉とワインの風味が一体となり、馬肉の新しい美味しさに出会うことができます。特別な日にいかがでしょうか。
馬肉のワイン煮込みは、小さなお子様には大人の味に感じられるかもしれません。小さなお子様からお年寄りまで家族で楽しめる馬肉の煮込み料理でおすすめなのは、味噌煮込みです。通常、味噌煮込みと言えば牛スジを使用することが多くなっています。馬肉の味噌煮込みは、牛スジよりもあっさりしているのに奥行きのある味わいです。
【作り方】
馬肉の旨みが他の食材にも染み込んで、ご飯が進みます。
部位によって異なる馬肉の味わいとは?
お肉と同じように馬肉にもさまざまな部位があり、部位によって味わいはまったく異なります。馬刺しとして食べることが多いのは「ロース」と「モモ」です。まず、ロースとは馬の背中側の部分です。赤身ですが、適度に霜降りが入り柔らかいのが特徴となっています。牛肉や豚肉でも柔らかいロースは、人気がありますが、馬肉においてもそれは例外ではなく「馬刺しと言えばロース」という方もいます。
次に、モモとは馬の後ろ脚の根元にある部分です。スジのないきれいな赤身となっており、脂肪分が少なくあっさりとした味わいが特徴です。あっさりとしている分、濃厚な馬肉の旨みをダイレクトに感じられます。生卵・醤油・ごま油と混ぜて、ユッケにしても美味しいです。
馬刺しにまんべんなく霜降りが入っているのは、「ハラミ」です。ハラミとは横隔膜の部分で、一頭からほんのわずかしか得ることのできない希少部位です。一目見ただけでは大トロと見間違えてもおかしくないほどの美しい霜降りとなっています。馬肉の最高峰とも言うことができるハラミの馬刺しを食べると、口内の温度で甘い脂がさっと溶けて広がっていきます。
馬肉にしかない部位には「フタエゴ」と「コウネ」があります。まず、フタエゴとは腹の部分にある赤身の希少部位です。むっちりとした歯ごたえが特徴のため、馬刺しでその歯ごたえを堪能するのがおすすめです。噛むほどに馬肉の旨みが口いっぱいに広がっていくのを感じることができます。
次に、コウネは馬の首の後ろのタテガミ部分のことです。そのため、そのまま「タテガミ」と呼ばれることも多いです。コウネは馬刺しのイメージとはまったく違い、見た目が白くなっています。白いのは、上質な脂とゼラチン質でできているからです。コウネの特徴はコリコリとした食感です。馬刺しで食べれば、コリコリとしているのにとろけるような不思議な食感を楽しむことができます。
馬肉にも肝臓、つまり「レバー」があります。他のお肉のレバーは好みが分かれる部位ですが、馬肉のレバーはほとんど臭みがなくて旨みがたっぷりです。ツルっとした舌触りのレバーを馬刺しで食べれば、噛まなくても旨みが口の中に広がります。
冷凍保存の馬肉の正しい解凍方法とは?
ご自宅でも馬刺しを楽しみたいという方におすすめなのは、冷凍の馬肉です。冷蔵保存の馬肉は、賞味期限が4~5日しかありません。一方で、冷凍保存の馬肉の賞味期限は1ヵ月から半年以上もあります。そのため、賞味期限内であればいつでも思い立った時に馬刺しを食べることが可能です。
冷凍保存の馬肉の正しい解凍方法は、真空パックのままで30分程度氷水につけておきます。そうすると、中心部だけ硬さが残る半解凍状態になるので、お好みの厚さにスライスして食べます。
馬刺しは生食するものなので、馬肉の鮮度には気を付けなければいけません。間違っても電子レンジの解凍機能を使用したり、室温で放置して解凍することはやめましょう。
まとめ
馬刺しが余ったら、時間を置いてまた食べるのは厳禁です。見た目や味わいが変わってしまうだけでなく、食品衛生上、危険です。
余った馬刺しを焼く時は、硬くならないようにさっと焼きましょう。焼き肉のタレやバター醤油が合います。余った馬刺しを煮込む時は、長時間弱火で煮込んで柔らかくしましょう。ワイン煮込みや味噌煮込みなど、馬肉の新しい美味しさを発見することができます。
馬肉は部位によって味わいが異なります。馬刺しでは赤身のロースやモモ、霜降りのハラミが人気です。馬肉にしかないフタエゴやコウネは、食感が特徴的です。
冷凍保存の馬肉を馬刺しで食べる時には、正しい解凍方法で解凍しましょう。真空パックのまま30分氷水につければ、スライスしやすい半解凍状態になります。