通販で購入した馬肉や馬刺しの賞味期限はどのくらい?~保存方法や美味しく食べるレシピをご紹介します!~

馬刺しの賞味期限はどのくらい

この1年間で“おうちじかん”の過ごし方や考え方が大きく変わった方が多いのではないでしょうか。どうすれば家で充実した時間を過ごすことができるのか。またどうすればテレワークでも仕事とプライベートの切り替えが上手くできるのか。新しい生活スタイルにまだ慣れていない部分もあるかと思います。

そんな中「食」は毎日の生活の中で必要不可欠です。家にいながら外食と同じように良いものや特別感があるものを食べるようになった方も多いのではないでしょうか。実際フードデリバリーの市場はここ3年間で14%以上成長していると発表されています。また20代~70代の500名を対象として実施したアンケートでは、およそ3人に1人が通信販売での購入が増えたと答えています。 

さらに家での時間の充実と同時に健康に気を遣う人も増加しています。自宅にいることが増えて外で体を動かすことが減った方も多いのではないでしょうか。ある調査では50%以上の人が以前よりも体重が増加したという結果がでています。

そこで今回はヘルシー志向の方の間で注目が集まっている馬肉、その中でも「馬刺し」に焦点をあててその魅力をお伝えするとともに通販で購入した馬肉を美味しく食べられる保存方法をご紹介いたします。

おうちでお店と同じ鮮度で食べることはできるのか 

まず初めに馬刺しは日持ちしない生肉のため、お店で提供されて食べるものというイメージが強いですが家でもお店の味は出せるのでしょうか。鮮度が命とも言われる馬刺しですが結論から言うと美味しく食べることは簡単にできます。「生肉を食べる」と聞くと食中毒を心配される方も多いと思いますが実は馬刺しは生肉の中でも食中毒のリスクが極めて低いのです。その理由は馬の体温にあります。

馬の体温は他の牛や鳥などよりも高く40度ほどあるため体内で食中毒の原因となる細菌が増殖しにくくなります。食中毒の原因として多いサルモネラ属菌やカンピロバクター等は肉そのものについているのではなく元々は動物の腸管内に生息しているものなのです。腸管内にいても食肉に処理するタイミングで肉に付着してしまうことで食中毒の原因となってしまいます。馬は元からその細菌を保有していないため生でも安全に食べられるのです。

しかし食中毒のリスクが全くないわけではありません。いくら気をつけていたとしても他の調理器具や食材・人間の手などから細菌がついてしまうこともあります。 

マイナス20度48時間 

厚生労働省より「生食用食肉の衛生基準」というガイドラインが出されておりその規制に則って調理する必要があります。さらに馬肉はマイナス20度で48時間以上冷凍すると寄生虫が死滅するため、冷凍をすることはさらに食中毒のリスクを低くすることに有効であり現在は義務付けられています。

そのため基本的に馬刺しは冷凍している状態でお店などに配送されます。大手の馬刺し卸売り専門店でも提携牧場で肥育から加工まで行われており、注文があってからブロック肉に加工され、48時間以上の冷凍保存を経てからお店に届けられます。

最近ではお取り寄せグルメなど簡単に家庭で食べることができるように切り分けられたり食べきりサイズで個包装されたりして冷凍のまま発送されるサービスも増えているため、お店と同じように新鮮で美味しく食べることができるのです。 

馬刺しを冷蔵・冷凍で美味しく食べる方法 

では次に冷凍された状態で届けられる馬刺しを美味しく食べる方法をお伝えします。凍ったままの状態で配送される為、真空パックの状態だとお店の業務用冷凍庫だと賞味期限が6ヵ月もの長期保存が可能な場合もありますが、家庭用の冷凍庫は開閉のたびに温度が変わってしまうこともあるため1ヵ月~3ヵ月の保存期間であることが一般的です。

真空パックで届いたものを冷蔵庫で保存する場合は1週間程度になりますがどの状態でも一度開封してしまうと消費期限はその当日になるため注意が必要です。また衛生上、馬刺しは一度解凍すると再度冷凍して保存することは避けるべきです。 

ワンポイント:ワインをセラーで適温維持しているのと同様に、馬刺しも真空パックの状態では冷凍庫で温度変化を極力少なくして保存することが鮮度・美味しさの秘訣です。 

自宅で美味しくいただくには 

それでは自宅での馬刺しの食べ方をご紹介します。様々な馬刺し取り扱いサイトで紹介されている、1番美味しく食べられる方法は氷水で解凍する方法です。ボウルなどの大きい容器に氷水をたっぷり溜め届いた状態の真空パックのまま開封せずにボウルの中に入れて冷蔵庫で解凍させます。目安は200gでおよそ1時間~1時間30分です。

コツは半解凍の状態にすることで表面が適度に柔らかく切り分けやすくなります。氷水に入れずに真空パックのまま冷蔵庫に入れることや、流水で解凍することも可能ではありますが「ドリップ」と言われる肉汁が解凍時に肉から出てきてしまいます。そのため、食べられる状態になるころにはうまみがつまったドリップでひたひたになる状態になってしまい味の質が落ちてしまいます。そのためいかにドリップを出さずに食べられるかということが馬刺しを美味しく食べるコツになります。

解凍された馬刺しは2mmほどの厚さに切り分けて食べます。真空パックから出してすぐは黒く見えることもありますが切り分けていく間に空気に触れて明るいピンク色に変色していきます。食べるころには見た目も味も最高の状態になります。最高の状態の馬刺しを岩塩に付けて食べたり専用のタレや醤油・薬味と一緒に食べたりして色々な方法で楽しみましょう。 

部位によって味わいや保存方法は異なるのか 

冷蔵保存・冷凍保存で保存期間に違いはありましたが馬肉の部位によってその味わいや保存方法は異なるのでしょうか。馬刺しと聞くとその種類は1種類かと思いきや実際には20種類以上もあり、部位によってさまざまな味わいがあります。今回はオーソドックスな赤身と馬肉にしかないフタエゴタテガミの3つに絞って味わいと保存方法をご紹介します。 

赤身 

まず、「馬刺しといえば赤身」ともいわれる赤身は最もオーソドックスな部位ですが赤身はその真赤な見た目の通り、脂質が少なく鉄分が豊富です。

赤身と言われる部位も実はその中にもロースやモモ・ヒレなど7種類にも分かれ味わいも異なります。全てに共通するその味わいは淡泊でさっぱりと食べられることです。鉄分が多く含まれることからもわかる通り空気に触れると酸化が始まるので一度袋を開封するとその日のうちに早めに食べきることがベストです。それでも食べきれない場合はラップなどで空気に触れないようにして冷蔵庫のチルド室で保存し翌日中には食べきると安心です。

一度解凍してしまうと再度冷凍は衛生上好ましくないため冷蔵庫のチルド室で保存し、なるべく早く火を通して食べることがおすすめです。 

ふたえご

次にふたえごは希少部位であり熊本以外に流通することはめったにないと言われていました。タテガミと同じく馬肉のみに存在する馬のあばら部分の近くでよく動く部位です。赤身の層が脂身にはさまれるため赤身と脂身が3層になっているのが特徴です。

赤身のようなあっさりとした味わいの中にもゼラチン質を含んでいる脂身がとろけていき噛めば噛むほどそのうま味が口の中に広がる絶品です。こちらの部位も赤身と同じくなるべく早く食べるようにし余ってしまった場合は焙ったり加熱したりしてから食べるようにしましょう。

馬刺しの極み|ふたえご
紅白の彩りが鮮やかなふたえごは、バラの下のお腹まわりにあるお肉からとれる希少な部位です。ふたえごの特徴は脂・肉・脂の三層からなっております。見た目から脂っこそうなイメージを持たれる方も多いかと思いますが、食べてみるとあっさりとした味わいで脂っこさはあまり感じることはありません。
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たてがみ

最後にこちらも希少部位であるたてがみ。たてがみも熊本以外に流通することはめったにないと言われていました。見た目は真白で脂の塊のようですが実はその味はとてもあっさりしています。しかも味わいはコリコリしていて脂を感じず口に入れた瞬間とろけていくのがわかります。これはたてがみの融点が人間の体温ほどであるためです。またグリコーゲンが多く含まれておりコラーゲンも豊富なため疲労回復に効果的で美容にもとても良い部位です。

たてがみは生で食べる他、脂身の少ない赤身と一緒に食べることで大トロのような味わいになる食べ方も人気です。こちらもなるべく早く食べることが理想ですが余ってしまった場合は赤身・ふたえごと同じくなるべく空気に触れさせないようにします。再度食べる時は、ハンバーグのたねの中に入れると少量でもトロみが付き、焼き上げた時もふっくらとしてより美味しくなるのでおすすめです。 

馬刺しの極み|たてがみ
たてがみとは、その名の通り、たてがみが生えている部分の中のお肉です。白くて脂の塊のような見た目ですが、口にすると意外。味はあっさりしており、コリコリした食感とクリーミーで濃厚な甘みが特長です。
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ワンポイント:保存状態が真空パックであるのと同様に空気に触れさせないこと。ラップやジップロックで極力空気を抜いて冷蔵庫に入れておくことで鮮度変化を起こさせない(開封後の消費期限は当日が基本です) 

おうちだからこそできる!馬刺しのアレンジレシピ 

これまで記述してきた通り馬刺しは生のままなるべく早く食べることが1番のおすすめです。しかしお店で馬刺しをたくさん注文して途中でお腹いっぱいになってしまったら残すしかありませんが、おうちだからこそアレンジ可能なレシピもあるはずです。

しかもフタエゴやタテガミなどのような馬肉のみに存在する希少部位もかつては本場の熊本以外では流通していないとされてきましたが、近年通信販売の普及とともに熊本に行かなくてもいつでも自宅にいながらその希少部位も食べられるようになっているのです。

では家でできる馬刺しのアレンジレシピとはどのようなものがあるのでしょうか。今回は加熱を伴うおいしい馬刺しレシピをご紹介します。 

①馬刺しのステーキ
馬刺しは基本的に淡泊な味わいのため濃く味をつけるスタミナ料理に向いています。塩こしょうのみの味付けでもおいしく食べられますが、にんにく醤油などの一癖ある調味料を使っても美味しく食べることができます。しかし馬刺しは加熱しすぎてしまうと固くなってしまう可能性があるのでさっと加熱するようにしましょう。 
②馬刺しのまぜごはん
馬刺しを一口サイズにカットし野菜や山菜なども一緒に加えて炊きたてのごはんと一緒に混ぜましょう。食べ応えもあるため満足感が高く、いつものまぜごはんよりも特別感のあるものを食べることができます。 
③馬肉の甘辛煮
馬刺しを小さいサイズにカットし生姜・にんにく・砂糖・醤油・酒で煮詰めます。おにぎりの中の具にもお酒の肴にも合うおかずです。 

このように馬刺しは生でも加熱しても美味しく食べることができます。加熱レシピはおうちだからこそ味わえるものでもあります。馬刺しを購入した際はぜひ加熱するレシピも試してみてください! 

まとめ 

これまで、馬刺しの安全性や保存方法・味わいやアレンジレシピなどをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。昨今馬肉の希少部位も手軽に通販で購入できる時代になっています。正しい保存期間や保存方法などの基本的な注意点を必ず守りながらこの機会にぜひ馬刺しを自宅でゆっくり味わってみてください。